増改築
リフォームという言葉が流行する前は、住まいを改造することを「増改築」と呼んでいました。リフォームの言葉の定義は特に明文化されたものはないようですが、一般的に増築、改築、改装(模様替え)をすべて含む言葉として使っています。
増築
「増築」とは、住まいの「床面積」を増やすことです。
骨組や構造から作り直す場合もあれば、敷地内に新しい構造物を造ったり、平屋を2階建てに変えたりする場合もあり、事例は様々です。
改築
一般的には、床面積を変えずに間取りの変更をともなう工事をすることをいいます。
ちなみに「改装」や「模様替え」は間取りの変更をともなわず、内外装を改めることをいいます。
耐震補強
建物の内外部の壁、柱、梁の耐力や剛性、ねばり強さを向上させて、建物の耐震性能を高める方法を耐震補強と呼びます。耐震補強には様々な方法があり、耐震診断の結果に基づいて、建物の剛性・耐力のバランスは当然ながら確保したうえで、建物の使用性、施工性(建物を使用しながら施工可能とした工法)、工期やコスト等を考慮します。また耐震補強計画は、建物の構造特性や設置可能な場所の制約などもあります。
現地調査と耐力計算で建築物の危険性を判定
実際の耐震診断では、どんなことを行うのでしょうか?
「はじめに診断者が現地で耐力壁の仕様や配置の状況、接合部の仕様、劣化の状況および地盤・基礎の状況などを目視で調査します。この現地調査の結果に基づいて算定した『建築物が保有している耐力』(「耐力壁の仕様」例えば筋交い、構造用合板、土壁などと、「壁の長さ」により決められる)と『建築基準法で求めている耐震性能と同等の性能を得るための必要耐力』(「建物の重さ」により決められる)を比較することで、大規模の地震動での倒壊・崩壊の危険性を判定します」(日本建築防災協会)
劣化部分の補修や弱い部分の補強を実施
耐震補強の改修工事(リフォーム)例
・壁の補強・地震の際、家全体がねじれないようにバランスがよい耐力壁の配置
・柱、土台、梁など構造体の接合部の補強
・基礎の補修・補強
・水平構面等(屋根や2階以上の床など)の補強
・土台や柱など構造体の腐朽・蟻害への対応
・住宅の軽量化等
「耐震診断の調査時に、構造体に劣化等が認められれば、補修・交換等を行い、健全な状態に戻すことが基本です。その他には『壁の補強・家全体のねじれを防ぐバランスのよい耐力壁の配置』、『接合部の補強』が一般的に多く行われていると考えられます」
ちなみに、部位ごとの工事費用の目安は以下のようになっています。
・外壁:13~15万円(幅910mm)
・内壁:9~12万円(幅910mm)
・屋根(軽い屋根材への葺き替えなど):1.5万~2万円(1㎡あたり)
・基礎 補修・補強:4万~5.5万円(1㎡あたり)
※足場や諸経費などは別費用
壁面の補強は、内壁にだけ施すこともあれば、外壁にだけ施したり、両方セットで施したりすることもあって、ケースバイケースなのだそう。比較的費用がかからないのは内壁ですが、建物の造りによっては外壁しか施工できない場合もあります。もちろん合計費用もケースバイケースですが、おおむね100万~150万円程度の工事が最も多いです。国や地方公共団体が実施している助成制度や融資制度を利用すれば、自己負担額を抑えることも可能ですから、ぜひご相談ください。